映画『怪物はささやく』~人間の心の矛盾を描いたダーク・ファンタジー
こんにちわ。
コロンボです。
おとぎ話のようなファンタジー映画は、どちらかというとぼくの好みではないんですが、この映画はそんなやさしいだけのファンタジーとは一味違う、ということもあって見てみました。
『怪物はささやく』です。
基本情報
- タイトル 怪物はささやく
- 原題 A MONSTER CALLS
- 製作 2016年 109分 アメリカ、スペイン
- 監督 J.A.パヨナ
- キャスト ルイス・マクドゥーガル、シガーニー・ウィーヴァー
- ジャンル ファンタジー、ホラー
ストーリーと感想
少年コナ―(ルイス・マクドゥーガル)は、なぜか毎晩母親が地面の裂け目に落ちていくという悪夢を見続ける。
母親は重病を患い、父親は離婚して別の家族と生活し、母方の祖母(シガーニー・ウィーヴァー)とは気が合わない。加えて学校では同級生にわけもなく殴りつけられる。
人間は矛盾だらけで難しい。自分の本当の気持ちさえわからない。
自分を取り巻く複雑な世界で、自分はいったい何を望んでいるのかもわからない複雑な心と闘う少年コナーは、ある夜、イチイの木の怪物(モンスター)を作り上げるのだ。
怪物は3つの物語を語り、4つめはお前の物語を語れ、という。
複雑な環境の中、コナ―は自分の居場所を見いだせず、
自分が一体何者なのか?
自分の真実の気持ちが何なのか?
そんな想いにもがくことで、彼はモンスターを作り上げたのだ。
怪物は3つの物語の中で、世の中の矛盾や複雑さを語る。そして、ついにコナ―が物語を語る番となるのだ。
はたして彼の抱える真の物語は何なのだろうか?
その時になって、彼は初めて自分の内側にあるものを見つけ出すのである。
コナ―を演じる、ルイス・マクドゥーガルがとてもよい。
少年の複雑な想いと、母に対するシンプルな想いが、最後に強く、あふれるように伝わってくる感動作だ。