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本を読むのが遅いと思っている方必読。『遅読家のための読書術』本は音楽を聴くように読むのがコツ!

 こんにちわ。コロンボです。

 本をたくさん読みたいけれど、読むのが遅い、読む時間がないと思ってあきらめている方は多いのではないでしょうか。
 実は私もその一人。基本的に本を読むのが遅くて、一冊の本をなかなか読み終えられない、ということがしばしばです。
 今回出会った本は、本との付き合い方を根本的に見直すきっかけになるかもしれない一冊でした。

 

 ※ちなみにこの本でいう速く読める本というのは、小説やエッセイなどには適用できんません。ビジネス書や新書などを読むのにふさわしいメソッドとなっていることをまずお伝えしておきます。

 

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

 

 

本を読むのが遅いと思っている方の本との向き合い方

 私も含めて、本を読むのが遅いと感じている方の共通点は、「本を読むからには何かを得なければならない」と気負っていることなんです。なので一文一文しっかりと読み込んでいかなければ、読書をしたということにはならないと考えているんです。

 

 しかし、この本では、じっくり読み込んでも、忘れることは忘れる。読むスピードと理解度・記憶はまったく比例しない、と伝えています。そしてそれは、裏を返せば、「忘れていないものの中に、自分にとって大切な部分が凝縮されている」ことなのです。100%ではなく、そのたった1%に出会えただけでもいいんです。なので、肩ひじ張らずに、もっと楽な気持ちで読書を楽しんだらいいんだよ、と提唱しています。


 たとえば、音楽を聴くときに何かを得ようと考えて聴く人はほとんどいないでしょう。ただ、気分がよくなるから、元気になるから、という理由で聴くことがほとんどですよね。
 読書もそれと同じ。音楽を聴くように、特別何かを得てやろうなどと気負わずに、気楽な気持ちで本を読めばいいのです。

 

 遅読家というのは、読むスピードが遅いというのではなく、「熟読せねば」という観念にとらわれすぎている人に過ぎないのです。

年間700冊を読む著者

 著者の印南淳史氏は、現在毎日一つの書評を書いていて、一日に2冊ほど本を読むそうです。月間で言うと、月50~60冊。年で言うと、年間700冊も読むと言います。
 しかし、そんな著書も、もとは1ページ読むのに5分かかっていたという、遅読家だったそうなんです。

 

 この本に書かれている内容は、そんな遅読家だった著者が、毎日1本ずつ書評を書くという仕事を受けるようになった時に考案したメソッドなので、とても実践力が高いと思いますし、実際読んでみて、なるほどな、と思うところが非常に多かったですね。

 

 

書くために読む

 本書では、ただ読むだけではなく、「書くために読む」ことへと意識を変えていくことを勧めています。つまり、本の中身を頭の中にコピーしようとするから、読むのが遅くなる。ならば、頭の外に書き出せばいい、ということです。

 

 「覚えるために読む」となると気持ちに負担が大きくなるので、「書くために読んでいる」という意識で読む方が断然読書が楽になるというのです。

 

 一見書き出す方が面倒のようにも思えるんですが、「書くために」という意識が「何が何でも覚えないと」という気持ちから解放されるという考え方は、読んでいて目からウロコの感覚でした。

何を書き出すのか

 書き出すことは、かえって本を読むことを遅くはしないか、と思われるかもしれません。しかし、ここでいう書き出す内容は、基本的には、引用です。いいと思った箇所を引用として書き出すのです。

 

 では、著者が提案する、書き出し方について紹介していきたいと思います。

1ライン・サンプリング

 読みながら気になった箇所を、なるべく短く(数行に収まる分量で)書き出していきます。本はじっくり読む必要はありません。さっと流しながら読んでいっても大丈夫。その中で、気になった文章をどんどんサンプリングしていきます。

1ライン・エッセンス

 次に、前述の1ライン・サンプリングで書き出した箇所の中から、「これだ!」という箇所を一つだけピックアップして残していきます。
 その1行は、気になった文章のなかでも特別な文章になりますし、この文章に出会えただけでも、読んでよかったという気持ちになれます。

1ライン・レビュー

 続いて、前述の「1ライン・エッセンス」に簡単な感想を書き込みます
 なぜ、この箇所がよかったのか、感動したのかを書き出すことで、本の中で自分にとっての大事なものを得ることができますし、後でレビューを読み返せば、記憶の再生をすることも可能なのです。

 

 読書を、軽く流すように読みながら、その中で気になった部分だけを書き出して、その中から最良のものを一つ選び、レビューを書く。それだけで、さっと読んだだけでも内容を記録することができるんです。

 また、じっくり読んだとしても、何も書き残さなければ、自分の中に何が残ったのかは分かりませんが、「1ライン・レビュー」までの作業を行うことで、その本から具体的な成果を得られたということになるのです。

 

 

流し読みのルール

 本はすべてのページを読む必要はないのです。その読むべきところとそうでないところを見極めることが大事なんです。

 すべてを読まない飛ばし読みでは、流れがわからなくなるのでは、という疑問が出てきますよね。しかし、ビジネス書などはほぼ、つながりを気にせず飛ばし読みをしても内容は十分把握できるということのようです。(ただし、小説やエッセイなど、流れが重要なタイプのものに対しては、この方法はあてはまりません)

 

読むべき箇所はどう判断するのか

 では、読むべき場所は何を基準に判断すればいいのか。

小見出しで判断

 ビジネス書などは、読みやすい構成で書かれており、それぞれのパートごとに細かく小見出しがついています。その小見出しを活用して、読むべきパートかどうかを判断するのです。

流し読みでいい箇所はどういう箇所か

  • 著者が自分を語っている部分
  • 個別の事例や体験談
  • 煽るような過剰すぎる表現の箇所

 上記のような箇所を小見出しで判断して流し読みにするのです。こうした個所は、たとえ飛ばしても全体の内容としてわからなくなることは少ないのだと考えてもいいとのことです。

速く読むためには

 さて、いよいよ速く読むための方法です。

ステップ1 「はじめに・目次」をよく読む

 「はじめに」は、その本の目的や要約の部分。なのでこの部分を読むことで、その本をどう読んでいくかをある程度判断することができます。

 また、目次は本の地図のようなものなので、目次を読むことによって読むべき箇所に「当たり」をつけることができるんです。

ステップ2 「項」ごとの最初と最後の5行を読む

 項の構成は、たいてい序盤・中盤・終盤いわかれており、序盤と終盤を読めば大体の内容は理解できるのです。(それで理解できない場合には中盤を読めばいい)

ステップ3 目的をもって読む

 その本で何を得たいか、という目的をもって本を読むこと。そうすれば、流し読みをするだけで自然と求めている文言やキーワードが流れ込んでくるのです。

ステップ4 緩急をつけて読む

 常に同じペースで読み続けるのではなく、読む箇所によってゆっくり読むモード、流し読みモード、などと緩急をつけて読むことを心掛けると、リズムができてスピードを感じられるそうです。

 

 

この本で読書に対する意識がかわりました

 僕は、いつも自分が読むのが遅いと感じていましたし、読んだ内容もしばらくしたらすっかり忘れてしまっていることが多々あります。このことは、僕自身になんらかの欠陥があるのではないか、とさえ考えていたんですが、この本を読んでそういった感覚を持った人がほかにもいるんだ、ということが分かって、なんだか少し安心してしまいました。

 なので、音楽を聴くように、楽な気持ちで、流れるように本を読んで、気になった部分だけ書き出していく、というのは目からウロコでもありました。
 そして、この本では、その書き出したものを後で読み返すことも推奨されています。それにより、たとえ流し読みでも、その本の大事なところは自分のものにできる、ということなのでしょう。
 次にビジネス書などを読むときには、ぜひこのメソッドを試してみたいと思いますね。

 

 あと、本を1日1冊、週6冊読むことを提唱されています。これができたらすごくいいんでしょうけど、これはさすがに難しいかなぁ、なんて思っています。(でも毎日1,2時間読書の時間を作ればできるのかな・・・?)

 週6冊はしんどいとしても、まずは週2,3冊から、挑戦していってみようかな、と思いますね。

 

 とにかく、本を読むという行為を気軽に考えればいい、その中で、1文でも、ワンフレーズでも、自分にとって大切なものがあれば、それでOK。それを書き出して、自分のものにすればいい。それでいいんですよね。

 これからはもっとたくさん本を読めるような気がしてきました。

 

 最後になりましたが、この本は、決して本は適当に読んで理解したらいいのだ、と言っているわけではありません。あくまで、早く読みながらでも深い理解の得られる、そんな読み方を提唱しているのだと思います。

 

 では。
 

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

 

 

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