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映画『LION/ライオン 25年目のただいま』~感動必至。家族の愛と絆に泪がこみあげてくる。

こんにちわ。
コロンボです。

映画『LION/ライオン 25年目のただいま』を観ました。

 

 この映画は、インドとオーストラリアとの間での実話をもとにした映画です。

 

 

基本情報

  • 邦題 LION/ライオン 25年目のただいま
  • 原題 LION
  • 製作 2016年 オーストラリア 119分
  • ジャンル ヒューマンドラマ
  • 監督 ガース・デイヴィス
  • キャスト デーヴ・パテール、ニコール・キッドマン

ストーリー

 ストーリーは、インドの奥地で貧しい暮らしをしていた少年サルーが、兄とともに仕事を探しに郊外まで出てきた際に、誤って一人で無人の列車に乗り込んでしまう。そして気が付いたときには列車は動き出し、遠く1600km離れたカルカッタまで運ばれてしまうことになる。その後、家族と再会することもなくオーストラリアに住む夫婦に養子として引き取られて育てられることになる。

インドという世界

 インドは映画「スラムドッグ$ミリオネア」でも描かれたように、カースト制度が根強く残っていて、貧富の差も激しく混とんとした社会である。

 

 ちなみに主演のデーヴ・パーテルは「スラムドッグ$ミリオネア」で主人公を演じている。

 

 この映画でも、ストリートチルドレンや貧しい家族が描かれ、しかも彼らはその立場を受け入れるしかないように無抵抗に存在しており、またそのすぐそばでは裕福な人たちが普通に生活を送っているのである。
 「スラムドック$ミリオネア」でもそうであったが、そのような貧しい家族や子どもを見ることはとても辛いものだし、またその子たちを食い物にしている人間も存在する。しかし社会自体が、そういうものなのだといった感じで成り立っているため、そこから疑問というものはなかなか生まれてこないのかもしれない、などと考えてしまった。

 

 かつてマザー・テレサはインドのスラム街において、貧しい人々のために寄り添って、献身的につくされた。彼女は言っています。

 

「人間にとって最も悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ」と。

 スラムに生まれ育った人たちは、どのような思いで生きているのだろうか? いくら考えても想像すらできない自分があり、ただ胸が辛くなるばかりである。

 

 インド映画は華やかで、歌も踊りもあってとても賑やかだ。
 しかしその一方で、社会の中にスラムは依然として残されてもいる。その矛盾を何とかできないものなのか、と自分の無力さとともに考えてしまうのである。

 

インドからオーストラリアへ

 主人公のサルーは、途中何度か痛い目にあったり、悪い大人に騙されたりしながら、ようやくオーストラリアの夫婦に引き取られることになる。
 そして、優しい母や兄と遠く離れたオーストラリアに行くのである。

 インドの生活を、約120分の映画の中で前半の40分ほどを割いている。それは、サルーの人生にとってほんの短い期間(5歳くらいまでか?)だったかもしれないが、その時間が彼にとってとても大切な時間であったということを物語っているのだと思う。

 

 オーストラリアの里親、ジョンとスーはとても素晴らしい人だった。(スー役はニコール・キッドマンが演じている)彼らは、サルーのほかにも、もう一人インドの子どもを引き取って育て上げる。
 その中で、サルーは何不自由ない生活を送ることになるのである。

インドの家族とオーストラリアの家族への想いと葛藤

 オーストラリアに来てから20年が経過し、サルーは大学へ進学する。そこでのパーティーの中で、ふと少年の頃のインドでの記憶がフラッシュバックのように蘇るのだ。
 優しかった本当の母親、慕っていた兄、インドの風景。

 

 そのインドでの母親の優しい表情や兄のあどけない笑顔、サルーを呼ぶ声(その声がとても切なくて非常に印象的なのだ)など、それらがフラッシュバック映像として流れるたびに、なぜか泪があふれてきたのである。


 何不自由なく生活しているサルーと対比して、今インドの家族はどうしているのだろう? どんな想いで生きているのだろう? ちゃんと生きているのだろうか? そんないろんな想いが、映像を通して観ている者の心に訴えて来るからなのかもしれない。
 そしてサルーを想う家族の愛情と、サルーが抱いている家族への愛情がひしひしと感じ取られて、とてもやるせない気持ちになるのだ。

 

 学生仲間のアイデアで、グーグルアースで探せば自分が生まれ育った場所が割り出せるのではないか、ということがわかる。そのことで、インドの家族に会いに行ける可能性が出てくるのだ。

 

 しかし、サルーは育ての親のことをおもんばかって、インドに行くことを決心できない。
 葛藤の末、彼は育ての母が自分たちを養子にした本当の理由を知り、また彼女がインドの母親に対してどのような気持ちを抱いているのかを知るのだ。

 一番初めにも書きましたが、この映画は実話に基づいて作られています。オーストラリアの母親がサルーに話すのを聞き、里親夫婦は、前述のマザーテレサを思い起こさせるような、本当に素晴らしい、尊敬すべき人たちなのだと分かります。

 

 サルーは、その彼女の言葉を胸に、まさに25年ぶりにインドの家族に会う決心をするのである。

 

 おわりに

 どんなに貧しいところに生まれたとしても、その家族には強い愛情と絆が存在する。実話をもとにしているため、その説得力は半端のないものになっています。
 家族や土地、楽しかった思い出、苦しかった思い出、そのすべてをひっくるめて懐かしく、そして愛おしく思うのです。


 果たして母は、兄は、そして妹は元気に過ごしているのだろうか?
 自分のことを今も探し続けているのではないだろうか?
 引っ越しなどしていないだろうか?

 

 最後はもう、あふれる泪を抑えることができませんでした。

 

 では。
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