映画『Viva! 公務員』~明るくて自虐的なイタリアンコメディー
こんにちわ。
コロンボです。
今回は、イタリアのコメディー映画『Viva! 公務員』の紹介です。
基本情報
- タイトル Viva! 公務員
- 原題 QUO VADO?
- 製作 2015年 イタリア 86分
- 監督 ジェンナーロ・ヌンツィアンテ
- キャスト ケッコ・ザローネ、エレオノーラ・ジョヴァナルディ、ソニア・ベルガマスコ
- ジャンル コメディー
ストーリー
主人公のケッコ・ザローネ(役名と同じ)の父は公務員。彼は小さいころから、気楽に働いて、そして地位も補償も安定している公務員になることに憧れていた。そして、念願かなって県の職員となって15年目の年、国の行政改革の実施に伴って、公務員の大幅なリストラが行われることになった。よもや自分は関係ないだろう、と高をくくっていたケッコだったが、結局彼もリストラの対象になってしまうのだった。
感想など
ヨーロッパの方では、公務員の人数が結構多いというように聞いていますけど、イタリアもやっぱりそうなのかな、と思って調べてみたら、人口比率で日本の18.5%に比べてイタリアは20.2%と少し多めでした。でもフランスは36.4%だしドイツも35.0%なので、ヨーロッパの方では比較的少なめのようです。
そして、映画ではかなりデフォルメされているんでしょうけど、ある意味特権的な意識があるのかもしれませんね。
で、映画の話に戻りますが、ケッコにとっては公務員という地位が何より大事。恋人を捨ててでも、どんな過酷な状況に置かれても、公務員という立場にしがみつこうとします。
彼の上司である女部長シローネは、大臣の命令を受けてあの手この手を使ってケッコを辞職へ追い込もうとします。多額な退職金を餌にしたり、それでもなびかなければ彼に過酷な地域での過酷な仕事に赴任させたり。
どうしても辞職しない彼は、果てには極寒の北極にまで異動させられてしまいます。しかも、仕事内容は、北極で研究する研究者を、どう猛なホッキョクグマから守るという危険極まりない仕事。
ついに彼も音を上げるか・・・と思ったその時、彼に運命が訪れるんです。研究者として紹介された人が、とてもきれいな女性だったんですね。
彼女の顔を見たとたん、彼の心に火がついて、がぜん北極の仕事に夢を抱くことなりました。
なんと、わかりやすい・・・(^-^; ま、お約束のお約束、だけども笑えますね。
主人公のケッコ・ザローネも最高です。嫌な奴だったり、胡散臭い奴だったりといろんな表情を見せてくれますが、一貫して見ているだけで面白いです。
なんとなく、アメリカドラマ「SUITS」に出てくるルイス・リット役のリック・ホフマンを彷彿とさせる、独特で存在自体に可笑しみがある感じですね。
※リック・ホフマン
↓ ↓
この映画は、最初から最後まで面白いところだらけで、深刻さのかけらもありません(笑)
映画では、いろんな人種やいろんな性的マイノリティーの人たちが出てきますが、劇中には人種差別ギリギリ(もしかしたらアウト?)のような表現やセリフがいっぱい出てくるし、イタリア人に対する自虐的な笑いもふんだんに盛り込まれていて、それがまた可笑しくて。
自虐的な笑いに関しては、まーイタリア人自身が作っているからだいじょうぶなんかなーって思いますけど、でも
イタリアの公務員ってどんなんやねん!?
とは思ってしまいますよね(^-^;
で、差別的なセリフなんかに対しては、なぜかそこには嫌な感じは一切しないんですよね~。
もしかすると、そこに、
多様性に対して寛容な世界って?
といったような、この映画のメッセージがあるようにも思えるんですねー、
知らんけど(笑)
どうしても辞職をしないケッコに対して、ついには女部長のシローネが色仕掛けを仕掛けてくるところなんて、「こんな男のためになんでそこまで??」 と笑いがこみあげてきてしまいましたわ。
あくまで、公務員という地位にしがみつこうとするケッコだが、最後に大きな選択にせまられることに・・・
はたして彼の選ぶ道はどこに向かっているのでしょうか?
彼を辞職に追い込めないシローネ部長の行きつくところも見ものです。
結末はぜひご覧ください。
日本とも、アメリカとも一味違ったイタリアンコメディーです。
ではまた~☕