映画『カンパニー・メン』~プライドが消えた時、そこに道はあらわれる
こんにちわ。
こないだ、娘の中学校の制服の採寸に行きました。娘ももうそんなに大きくなったんだなぁって、ほんの少し感慨にふけってしまいました。
コロンボです。
さて今回は、大事な家族がいる中、失業してしまった会社員の生き方を描いた映画、『カンパニー・メン』の紹介です。
基本情報
- 邦題 カンパニー・メン
- 原題 THE COMPANY MEN
- 製作 2010年 アメリカ 104分
- 監督 ジョン・ウェルズ
- キャスト ベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナー、マリア・ベロ、ローズマリー・デウィット
- ジャンル 社会、企業、ヒューマンドラマ
ストーリーなど
この映画は、2008年9月15日(月)から始まる。まさにリーマンショックの始まりの日だ。
主人公、ベン・アフレック演じるボビーは、12年勤め続けた会社GTXから突如解雇を言い渡される。家族を抱え、住宅ローンを抱え、それでも現実を直視しようとしない彼は物事を楽観視し、生活態度を変えようとしないのだが、現実はそんなに甘くはない。社会情勢はどんどん悪化の一途をたどっていき、必然的に彼の生活も窮地に陥っていく。
リーマンショックをリアルに描いた作品
リーマンショックは、2008年9月、アメリカのリーマンブラザーズという大手証券会社が経営破綻したことに端を発して、世界的に金融危機が発生した現象。そしてこの映画は2010年に製作されているので、まさにリアルタイムで作られた映画だと言えます。
映画の中のGTXという企業は、造船や鉄道などの事業を展開する大企業。そんな企業も何千人という規模でリストラを決行するといった異常な事態に陥ってしまったのです。
その中には、ボビーのように企業に貢献した有能な社員や、社長と力を合わせて企業を育ててきた会社創設時からのベテラン社員も含まれています。
当の社長は、会社に残り、年2000万ドルの給料を得続ける反面、労働者は生活ができずに苦しんでいる。怒りの矛先をどのように向けていいのかわからず、ついには心が折れて、自ら命を絶ってしまうものも出てきてしまう。
そんな厳しい社会情勢を、複数の人間に焦点を当てて、悲哀と、苦しみを、ほんの少しのユーモアとともに描いたこの作品は、見ているうちに、不思議にもだんだんと作品世界に引き込まれて行ってしまいます。
豪華な出演陣も見どころのひとつ
アカデミー賞でも常連の俳優が多数出ているところもこの作品の見どころであり、魅力でもありますね。
ベン・アフレックは俳優をやりながら監督や脚本でも才能を発揮していますが、この映画では、自信と不安を合わせ持った役を好演しています。
ボスのCMを思い浮かべてしまう(^-^;
トミー・リー・ジョーンズも、ボビーの上役でもあり親友的な存在、ジーンを実に味のある演技で演じていますけど、彼は今は、サントリーの缶コーヒー「BOSS」のCMで日本ではすっかりおなじみの存在ですよね。
なので、どんなにいい演技をしていても、あの「BOSS」のCMの印象が強すぎて、どうしてもあのコミカルな感じが頭をよぎってしまうんですよね~(笑)
仕方ないですけどもね(笑)
家族の支え
プライドにぶら下がって、あくまでこれまでの生活態度を改めようとしないボビーに対して、妻のマギー(ローズマリー・デウィット)は常に彼を信じて心で支えます。
彼女に見捨てられなかったことが最大の救いだったんじゃないか、と思うくらい彼女の存在は重要だったと思いますね。
プライドが消えた時
ボビーはこれまでの職歴からくるプライドの鎧をなかなか脱ぎ捨てられない。
住宅ローンが払えないにもかかわらず、家も売らない、ポルシェも手放さない、両親との同居も拒む、ゴルフの会員もやめない、といった感じです。
しかし、再就職先は見つからず、事態は背に腹は代えられぬ、といった状態にまでなってくる中、
妻に支えられながら、次第にボビーの心には次第に変化が訪れます。
嫌っていた人物に頭を下げて、経験のない肉体労働をし始めます。
GTXを解雇され、就職支援センターでの説明会で、「私は勝つ! なぜか? 私には信念と勇気と熱意があるから」、こんな文句を支援員に言わされるんですが、彼はプライドが邪魔をして言うことができなかったんですね。
でも、無駄なプライドが消え、それが最後に言えるようになった時には、彼の心は変わり、そして道は自ずと見えてくるんです。
おまけ
この映画と同じようなタイトル「カンパニー・マン」という映画がありますが(マンとメンとの違い)、「マン」の方はまるで違ったアクション映画のようなので、ご注意ください(笑)
ベン・アフレックの主演や監督、脚本の映画はこちら。
ではまた~☕