映画『アジャストメント』運命かそれとも愛か? 自分の運命は自分で切り拓くもの。
こんにちわ。
コロンボです。
今回紹介するのは、マット・デイモン主演のロマンスでもありファンタジーでもある映画『アジャストメント』です。
アジャストメントというのは、調整とか修正などの意味で、この映画では運命や未来を調整する、といった意味で使われていますね。
原作がフィリップ・K・ディックというところも興味をそそります。
基本情報
- タイトル アジャストメント
- 原題 THE ADJUSTMENT BUREAU
- 製作 2011年 アメリカ 106分
- 監督 ジョージ・ノルフィ
- 原作 フィリップ・K・ディック
- キャスト マット・デイモン、エミリー・ブラント
- ジャンル ロマンス、ファンタジー
ストーリー
運命の女性エリースとの出会い
下院議員のデヴィッド(マット・デイモン)は、上院議員の選挙に挑んでいた。しかし、自らの犯した失態のために敗戦色が濃厚になってきたとき、偶然彼の運命の女性でバレエダンサーのエリース(エミリー・ブラント)に出会う。二人は出会った瞬間から不思議なくらいに惹かれ合う。
しかしある時、運命を遂行するという調整員を名乗る謎の男たちの調整活動の現場を偶然目にしてしまったデヴィッドは、彼らに拉致され、2つの約束を強いられることになる。
ひとつは、デヴィッドが今目にしたことは誰にも口外しないこと。
ふたつめは、エリースとは二度と会わないこと。
調整員とは
彼らの正体は、古代より人類の運命をつかさどってきた、いわば天使のような存在で、人類が運命のルートから逸脱しそうになった時にそれを調整する役目を担っていたのだ。
もし、デヴィッドがこの約束を破れば、彼の記憶をすべてリセットする!、と脅迫してきたのだ。
しかし、そんなことを言われて、すごすご言いなりになるデヴィッドではもちろんなかったんですよね。
言いなりになっていたら、ここで映画も終わってしまいますものね(^-^;
デヴィッドが迫られる運命の選択とは
どうにもエリースのことを諦めきれないデヴィッドは(エミリー・ブラント演じるエリースがまた綺麗なんです)、3年間彼女を探し続け、ようやく3年後に彼女を見つけ出すんです。
調整員との約束があるのに、彼女に会って大丈夫なのか? とハラハラしますが、彼はお構いなしに突っ走っていくんです。
二人はどうしてこんなにも惹かれ合うのか?
そして、なぜ引き離されなければならないのか?
デヴィッドとエリースはもともと結ばれる運命であった。しかし、何らかの理由で運命が書き換えられてしまったのだ。
過去の運命に引き寄せられ、二人は再び出会い、一旦は愛を実らせることになるのだが、またしてもそこに運命調整員の手が彼らを引き離しにかかるのだ。
調整員はデヴィッドに彼の将来の姿を告げ、その輝かしい将来をつかむためには、エリースと結ばれることは許されない。その将来とは、彼の子どものころからの夢でもあった。
そして同時に、世界的なダンサーになるという彼女の夢を断つことにもなってしまうのだ、と告げられる。
深く悩んだ末、デヴィッドは彼女の前から姿を消すことを選択するのだった。
デヴィッドの選び取った道
月日は流れ、再び上院議員の選挙の終盤、デヴィッドは優位に立っていた。気持ちも吹っ切れたかのようであったが、その時にエリースが結婚するということを知ってしまうのだ。
それがデヴィッドの中に消えかかっていた火種が再び燃え始める瞬間だった。
彼は、これまでの選択を悔い、そして新たな選択肢をとることに決めた。だれかが書いた運命ではなく、自由意思によって自らの運命を切り拓いていくという選択を。
あくまで、運命の書に従わせようとする調整員の追跡から逃れ、二人は自らの手で運命を書き換えることができるのだろうか?
人生の成功か?、それとも愛か? そのような単純なものではない、自由意思の尊さ、自分を信じる強さなど、もっと深いものをいろいろと考えさせてくれる作品だった。
フィリップ・Kディックのこととか
この映画の原作は、有名なSF小説家、フィリップ・K・ディック(1928年-1982年 活動期間は1952年-1982年))の短編小説をもとに作られということです。
フィリップ・K・ディックの作品は、有名なところでは『ブレードランナー』や『トータル・リコール』、『マイノリティ・リポート』など、映画化されている作品が多数あり、どれもぼくの好きな映画であるので、この『アジャストメント』もとても期待して観ました。
結果、やはり単純なものではなく、奥の深いものを感じることができましたね。
あと、この映画に出てくる天使についてですけれど、この映画の天使の姿格好は「ベルリン天使の詩」(ヴィム・ヴェンダース監督 1987年)のイメージを下敷きにしているのでしょうか? ぼくとしては、もう少し意表を突いたような姿で出てきてくれても面白かったかな、と感じましたね。
ま、どちらにしても、運命に逆らって自ら道を切り拓いていこうとするマット・デイモンも良かったし、エリース役のエミリー・ブラントもとても魅力的でした。
ではまた~☕