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映画『500ページの夢の束』~この一歩は人類にとっては小さな一歩かもしれないが、彼女にとっては偉大な飛躍である

 こんにちわ。
 コロンボです。

 

 さて、今回は2017年のアメリカ映画『500ページの夢の束』の紹介です。

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基本情報

  • タイトル 500ページの夢の束
  • 原題 PLEASE STAND BY
  • 製作 2017年 アメリカ 93分
  • 監督 ベン・リューイン
  • キャスト ダコタ・ファニング
  • ジャンル ヒューマン、ドラマ

 

 この映画は、自閉症スペクトラムの女性の物語。ウエンディは母を亡くし、姉と二人で生活をしてきたが、姉が結婚をし、妊娠したことを機に施設で生活することになる。彼女の好きなものは、アメリカの人気SFシリーズ「スタートレック」。
 施設で規則正しい生活を送りながら―――毎日決まった日課をこなし、アルバイトをし、テレビを見る―――スタートレックの脚本コンテストに応募するために脚本を書き続ける。

 しかし、実のところ彼女はその安定した生活には満足しておらず、本当は家族と一緒に過ごしたい、という思いを心に強く秘めていた。

 

 主演は、ダコタ・ファニング。ダコタ・ファニングと言えば、かつて天才子役として名をはせた女優で、ぼくも彼女の少女時代の作品は3作ほど見ている。

 まずは、2002年の「TAKEN」というSFテレビドラマ。これは、宇宙人に誘拐されるというドラマで、彼女が8歳の時のものだが、その時から彼女の演技は圧倒的であったのを記憶している。

 次に見た作品は、ショーン・ペンの娘として演じた2001年の「I am Sam」。発達的に障がいのある父親との愛情あふれる物語で、彼女の子供らしい魅力がたっぷりの映画だ。ストーリーも感動的で、ぼくの大好きな作品のひとつでもある。

 そして3本目は、2005年にトム・クルーズと共演した「宇宙戦争」。かなりメジャー作品であるが、この中でも、彼女は11歳とは思えないくらいの迫真の演技を魅せた。

 

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 しかし、そのあとぼくは彼女の映画を観る機会がなく、今回も見終わってから初めて主演のウエンディがダコタ・ファニングだと知ったのだ。それくらい彼女は大人になっていなのだけれど(当たり前だが(^^;))、一方ではなるほどな、と妙に納得してしまった。というのも、この映画はどちらかと言えば小品で、ストーリー的にも小さな山場がいくつかあるけれども大きな山がドカンとあるわけでもなく、比較的静かに進む映画なのだけれど、それでも不思議に魅力があって、かつ感動を覚えてしまったからだ。

 これには、ダコタ・ファニングの力が大きく貢献していることは間違いないだろう。

 

 この映画の見どころは、彼女が書いたスタートレックの脚本を、施設を抜け出して遠く離れたロサンジジェルス(パラマウント社)に持っていくところだ。

 大きな道路の信号ひとつ渡れなかった(わたってはいけないと言われていた)彼女が、勇気を出して一歩を踏み出すのだ。

 そして、道中にいろんな事件や出来事、災難に遭遇しながらも、めげずに進み続けるのだ。

 そして、自閉症スペクトラムの彼女に対して、世の中はそうそう甘くない。むやみに優しい理解のある人間が出てきたりしないのだ。その点がリアルなのである。

 また、あまりにも思いがけない事件が起こりすぎて、かえって笑えてしまうのだ。

 

 

 彼女がスタートレック惹かれるのは、そこには様々な個性のキャラクターがいるからかもしれない。中でも彼女が最も興味を持っているのが「スポック」なのである。彼はバルカン星人と地球人の間に生まれた人種で、感情を持たない。

 もしかしすれば、感情を持たないというそんな彼に、人に理解してもらいにくい自分を重ね合わせていたのかもしれない、と思うのだ。

 

 しかしながら、この映画の中では自閉症スペクトラムというのが大きな要素となって描かれてはいるが、実際のところは誰であってもいろんな個性を持ち、得意不得意なところがあるのが現実で、そういった面からするとこの映画は彼女のような存在だけではなく、べての人に当てはまるテーマではないのか、と思うのである。

 

 そして、日本語のタイトルでは『500ページの夢の束』とあるように、日本では彼女が書いたスタートレックの脚本が無事パラマウント社に届くのか、というところに重きを置いているようだが(もちろんその要素も大きいのだが)、本当の意図は実は違うところにあるのではないか、とぼくは思う。

 それは、原題の『PLEASE STAND BY』によくあらわされているのだ。

 

 彼女が本当に求めているものは何なのか?

 彼女が脚本を書く本当の理由は?

 脚本を本当に見せたい人は誰なのか?

 

 そこがこの映画の主題であると思うのだ。

 

 この日本語のタイトルは、キャッチ―で面白そう、と感じさせてくれるけれど、映画の本当に伝えたいことをうまく伝えられていないのでは(この映画では特に)と思ってしまった。

 

 とはいえ、観てしまえばタイトルに関係なく感動を覚えるのは間違いないだろう。ダコタ・ファニングの魅力と演技力、そしてスタートレックへのオマージュというスパイスも非常によく効いている、とてもいい作品だった。

 

 ではまた~☕

 

 

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